桑畑洋一郎のブログ

自己紹介めいたものはhttps://yoichirokuwa.hatenablog.com/entry/2022/01/21/130841にて。

「日本語の美しさ」について

学生さんから「日本語は(響きが)美しい。なので日本語の研究をしたい」みたいな話がたまに出ることがあり。そのこと自体は別にいいんだけれど、「ある言葉(の響き)が美しい」というのは一体どういうことなんだろう…というのが今一つ分からず。妻にも「言葉(の響き)が美しいって感じることある?」と尋ねたものの、「分からん」と答えられて、やっぱりよくわからない。

「そう表現するか」とか「言葉選びのセンスが高い」とか感じることはたまにあるけれど、たぶんそれは「言葉(の響き)の美しさ」を感じ取っているわけではなくて、「端的に表現できてる」って部分に「いいなー」と思っているわけで。「言葉(の響き)の美しさ」って何だろう…と考え込んでしまうわけである。

ということで、「日本語は(響きが)美しい」って言う学生さんに「具体的にどういう言葉が美しい?」と尋ねると、「ありがとう」とか「いただきます」とかが返ってきて、「それは言葉の意味や使われ方に美を見出しているのでは…?」と感じたりもして。

まあ学生さんも、そんなにグダグダと考えて言っているわけではないんだろうし、最初に書いた通りこの発言がいいとか悪いとかそんなこと言うつもりもないんだけど、最近「他人の感覚」ってものに興味があるので、突き詰めて説明してほしいな…と感じたりするという話である。

 

 

ちなみに、社会学者の中で特に「この人表現うまいな」と感じるのは岸政彦さんと有薗真代さん。有薗さんは、俺と同じくハンセン病研究しておられる方だけど、「隔離壁を砦に」って表現見て「すごい」と感じた。